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宇宙開発のイメージ

ロケット

  • よみがな: ろけっと
  • 英語名: Rocket

ロケットの概要

ロケットとは、推進剤を燃焼させて高速度の排気を得ることで推力を生み出し、宇宙空間へ物体を運ぶ乗り物である。

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ロケットの詳細

ロケットは、地球の重力圏を脱出し、宇宙空間へ人工衛星や探査機を運ぶための輸送手段です。
宇宙開発において不可欠な技術であり、ロケットの性能や信頼性はミッションの成功を左右する重要な要素となります。

ここで、ロケットが飛ぶ仕組みについて簡単に説明します。
ロケットが飛行することができるのは、ズバリ「反作用」のおかげです。
エンジンで推進剤を燃焼させて発生する高温高圧のガスを噴射する様子を思い浮かべてください。
この時に、ガスを噴射することによって噴射した向きとは逆向きの力が発生します。
これはニュートンの第三法則「作用・反作用の法則」に基づくものです。
これによって、推力を得ることができるのです。

飛行中、ロケットは自らに搭載された燃料を用いて、質量を減らしながら加速していきます。
空気のない宇宙空間ではこのロケットエンジンの原理を用いることによって、ロケットは自力で推進力を生み出すことができるのです。 このようにしてロケットは地上から打ち上げられ、数分間で高度数百km以上に到達したのちに衛星や探査機を所定の軌道に投入します。

数多のロケットの中でも特に有名なものとしては、アポロ計画のサターンV、スペースシャトル、H-IIAロケットなどが挙げられます。
サターンVは人類を月に送り届けた史上最大のロケットであり、スペースシャトルは再使用可能な宇宙船として、長年にわたり宇宙ステーション建設や衛星の打ち上げに活躍しました。
また、日本のH-IIAロケットは高い成功率を誇る日本の主力ロケットであり、気象衛星「ひまわり」や探査機「はやぶさ2」などの打ち上げに使用されました。

ロケットには、液体燃料式、固体燃料式、ハイブリッド式などの種類があります。
液体燃料式は、燃料と酸化剤を別々に搭載し、燃焼室で混合・燃焼させる方式で、推力の調整や再点火が可能です。
そのため、精密な軌道投入が求められる有人ミッションや大型衛星の打ち上げに適しています。
一方で、固体燃料式は燃料と酸化剤が一体化した固体状態で搭載され、点火すると一気に燃焼します。
構造が簡単で信頼性が高く、コストも低いため、小型衛星や軍事用途に広く使われています。
近年では、環境負荷の少ない推進剤の研究も進められており、持続可能な宇宙開発への取り組みが始まっています。

技術的には、推進系、誘導制御系、構造系、ペイロード(搭載物)などが重要な要素です。
推進系はロケットの心臓部であり、燃焼効率や推力の安定性が求められます。
誘導制御系は、ロケットの飛行経路を正確に制御するためのシステムで、ジャイロセンサーやGPSなどを用いて軌道を調整します。
構造系は、打ち上げ時の振動や加速度に耐える設計が必要であり、軽量かつ高強度な素材が使用されます。
ペイロードは、人工衛星や探査機などの搭載物であり、ミッションの目的に応じて様々な機器が搭載されます。

近年では、再使用型ロケットや小型ロケットの開発が進み、宇宙輸送の効率化が図られています。
再使用型ロケットは、打ち上げ後に地上へ帰還し、再び使用できることでコスト削減と打ち上げ頻度の向上が期待されています。
スペースXの「ファルコン9」などが代表例で、宇宙輸送の常識を大きく変えつつあります。 また、民間企業による商業打ち上げも活発化しており、宇宙アクセスの民主化が進んでいます。
これにより、大学やスタートアップ企業も宇宙開発に参加できるようになり、革新的な技術や新しいビジネスモデルが次々と登場しています。
今後、ロケット技術はさらに進化し、月や火星への定期的な輸送も現実のものとなるでしょう。

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