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宇宙開発のイメージ

遷移軌道

  • よみがな: せんいきどう
  • 英語名: Transfer Orbit

遷移軌道の概要

遷移軌道とは、宇宙機がある軌道から別の軌道へ移動する際に使用される中間的な軌道である。


遷移軌道の詳細

遷移軌道は、宇宙機が初期軌道から目的軌道へ移行するために利用される軌道であり、軌道変更の過程で一時的に通過する軌道です。
代表的な例として、静止軌道へ向かう際に使用される「静止遷移軌道(GTO)」があります。

「静止遷移軌道(GTO)」を例にとって説明しましょう。
静止軌道を目指す人工衛星があるとします。
静止軌道は上空3万km以上のところにあるのですが、いきなりそこまで衛星を飛ばすのは困難です。

そこで、衛星はまず低軌道に乗せられて高度数百kmを飛行します。
その後に登場するのが「遷移軌道」なのです。

低軌道上に乗せられた衛星のエンジンが点火され、「遷移軌道」へと移されます。
この軌道では、宇宙機は楕円軌道を描きながら飛行します。
その後、最遠点に到達するとエンジンを再点火して目的となる静止軌道に乗ります。
これにて目的地到着です。

このように、目標軌道に乗せるための途中の軌道が「遷移軌道」なのです。
人工衛星や探査機の運用を行う際には、目標となる場所に宇宙機を移送するために様々な遷移軌道が用いられます。
遷移軌道の設計には、燃料消費の最適化や時間的効率の考慮が必要であり、ミッションの成功に直結する重要な要素です。

この他にも、惑星間探査では、地球から他の天体へ向かうための「ホーマン遷移軌道」などが用いられます。
これは、軌道力学の考え方を応用した手法です。

遷移軌道は、宇宙機の推進能力や軌道制御技術と密接に関係しており、精密な計算と制御が不可欠です。
この技術は、衛星打ち上げから惑星探査まで幅広く活用されており、宇宙航行の基盤を支える重要な概念なのです。


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