静止軌道
- よみがな: せいしきどう
- 英語名: Geostationary Orbit
静止軌道の概要
静止軌道とは、地球の自転と同じ周期で赤道上空を回る軌道であり、地球から見ると人工衛星が常に同じ位置に静止して見える軌道である。
静止軌道の詳細
静止軌道は、地球の赤道上空約35,786kmに位置する円軌道で、人工衛星が地球の自転と同じ周期(約24時間)で地球を周回する軌道です。
この軌道にある衛星は、地球の自転と同期した角速度で動くため、地上から見ると常に同じ位置に静止しているように見えるという特徴があります。
人工衛星が地球を回る速度は、高度が上がるにつれてだんだん遅くなる性質があります。
例えば国際宇宙ステーションがある高度数百kmの領域では、1周にかかる時間が数時間ほどです。
そこからさらに高度を上げていくと1周にかかる時間はどんどん長くなっていき、
高度約35,786kmほどまで上昇するとちょうど24時間で1周するようになるのです。
実際にはいろいろな話が絡むのですが、単純な話をするとこのようなメカニズムで静止軌道は実現しているのです。
地上から見てずっと同じ位置にあるという特性により、静止軌道は通信衛星や気象衛星にとって極めて重要な軌道となっています。
たとえば、テレビ放送、電話通信、インターネット中継などの通信インフラは、静止衛星を利用することによって安定したサービスを提供しています。
また、気象衛星は常に同じ位置から地球全体の気象状況を常時監視することができるため、日々の天気予報や台風の進路予測に大きく貢献しています。
静止軌道のもう一つの大きな利点は、広範囲を常にカバーできる点です。
1基の静止衛星で、地球表面のおよそ3分の1を常時監視・通信可能であり、3基の衛星を適切に配置すれば、地球全体をほぼカバーすることができます。
高度が高くなることにより地球が小さく見える難点やタイムラグが大きくなる欠点もありますが、それを補ってあまりあるのが静止軌道なのです。
静止軌道上の衛星は、基本的に地上から見て常に同じ位置にあるわけですが、実際には時間が経つと位置がずれていきます。
これは、地球の重力の不均一性や太陽・月の重力の影響、太陽放射圧などの様々な理由によって、軌道がわずかにずれるためです。
そのため、衛星は定期的にスラスターを使って軌道や姿勢を修正します。
これにより、長期間にわたって正確な位置と姿勢を保つことが可能になり、通信や観測の精度を維持することができるのです。
静止衛星は地上から見ると動かないように見えるため、地上アンテナの設置が非常に簡単です。
たとえば、家庭用のパラボラアンテナは一度方向を合わせれば、常に同じ衛星と通信できるため、調整の手間が少なく済みます。
このように、静止軌道は現代社会の通信・観測インフラを支える中核的な技術であり、今後もその重要性は変わることなく続いていくでしょう。
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