航空宇宙工学科とは何か?|中高生向けにやさしく解説
はじめに|「航空宇宙工学科って何をするところ?」
「宇宙に関わる仕事がしたい」と思って進路を調べ始めると、
多くの人が 「航空宇宙工学科」 という学科名にたどり着くことになります。
一方で、
- 航空宇宙工学科って、実際には何を学ぶの?
- 行けば必ず宇宙の研究ができるの?
- 他の工学科と何が違うの?
といった疑問を持ったまま、
「名前がそれっぽいから」という理由だけで進路候補に入れてしまう人も少なくありません。
このページでは、中高生向けに
航空宇宙工学科の中身と役割を、できるだけ分かりやすく説明します。
進路選びの土台として、ぜひ参考にしてください。
進路に関する記事の一覧についてはこちら
航空宇宙工学科の基本的な役割
そもそも航空宇宙工学科とは?
航空宇宙工学科は、
空を飛ぶもの(航空) と 宇宙で活動するもの(宇宙) を対象にした工学分野です。
具体的には、
- 飛行機
- ロケット
- 人工衛星
- 宇宙探査機
などが主な対象になります。
これらに共通しているのは、
- 空気の中や真空の中で動く
- 軽くて、強くて、安全である必要がある
- 失敗が許されない
といった特徴です。
航空宇宙工学科では、こうした条件を満たすものを作るための考え方や技術を学びます。
なぜ「航空」と「宇宙」が一緒なのか?
「航空」と「宇宙」が同じ学科に入っていることを不思議に思う人もいるかもしれません。
これは、もともと 航空工学の発展の先に宇宙工学が生まれた という歴史的な背景があるからです。
実際、両者は使う基礎学問がとてもよく似ています。
例えば、
- 力学(物体がどう動くか)
- 流体力学(空気の流れ)
- 構造力学(壊れない設計)
- 制御工学(姿勢や動きを保つ)
といった分野は、航空でも宇宙でも重要です。
そのため、航空宇宙工学科は
「航空」と「宇宙」をまとめて扱う形になっています。
航空宇宙工学科で学ぶ主な内容
学部レベルで学ぶこと
航空宇宙工学科に入ったからといって、
最初から宇宙の話ばかりをするわけではありません。
多くの大学では、
- 数学
- 物理
- 工学の基礎科目
からスタートします。
これは、航空宇宙分野が
基礎学問の積み重ねで成り立っている分野だからです。
一見すると宇宙とは関係なさそうに見える内容も、
後から必ずつながっていくことになります。
専門科目の例
学年が進むと、次第に専門的な科目を学ぶようになります。
代表的なものとしては、
- 飛行力学
- 軌道力学
- 推進工学(エンジン・ロケット)
- 構造・材料
- 制御工学
などがあります。
ただし、これらすべてを学べるとは限りません。
どの分野に力を入れているかは、大学や研究室によって大きく異なります。
この点は、進路選びでとても重要です。
「航空宇宙工学科=宇宙に行ける」ではない
よくある誤解
航空宇宙工学科についてよくある誤解としては、以下のものがあります。
- 航空宇宙工学科に行けば必ず宇宙の研究ができる
- 航空宇宙工学科=ロケットや人工衛星
ですが、これは正確ではありません。
実際はどうなのか?
実際には、
- 航空(飛行機)寄りの大学も多い
- 宇宙に関する研究は一部の研究室に集中している
- 学部では航空中心で、宇宙は大学院からという場合もある
といったケースがよくあります。
つまり、
学科名だけで、将来の研究内容は決まらない
ということです。
航空宇宙工学科を選ぶ場合でも、
「どんな研究室があるか」を必ず確認する必要があります。
大学による航空宇宙工学科の中身の違いについてはこちら
航空宇宙工学科が向いている人
向いている人の特徴
航空宇宙工学科は、次のような人に向いています。
- 物理や数学を使って考えることに抵抗がない
- 仕組みや原理を理解するのが好き
- 目に見えない現象を考えるのが苦ではない
「ものづくり」だけでなく、
理論的に考えることが重要な分野です。
今は得意じゃなくても大丈夫?
中高生の段階で、
- 数学があまり得意ではない
- 物理がよく分からない
と感じていても、心配しすぎる必要はありません。
大学に入ってから身につけることになるものも多くあります。
その中で最も大切なのは 興味を持ち続けられるかどうか です。
航空宇宙工学科だけが宇宙への道ではない
宇宙分野は、非常に幅広い技術の集合体です。
そのため、
- 機械工学
- 電気・電子工学
- 情報・制御
- 物理・材料
など、他の学科で専門性を身につけてから
宇宙分野に関わる人もたくさんいます。
この点については、別の記事で詳しく解説します。
航空宇宙工学科以外の選択肢についてはこちら
まとめ|「名前」ではなく「中身」を知ろう
航空宇宙工学科は、
宇宙分野に関わるための 重要な入口の一つ です。
ただし、
- 行けば必ず宇宙研究ができるわけではない
- 大学や研究室によって中身は大きく違う
という点を理解しておくことが大切です。
進路を考えるときは、
- 何を学べるのか
- どんな研究室があるのか
という「中身」に目を向けてみてください。
次はぜひ、
といったページも読んでみてください。
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