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宇宙開発のイメージ

スイングバイ

  • よみがな: すいんぐばい
  • 英語名: Swingby

スイングバイの概要

スイングバイとは、天体の重力を利用して探査機の速度や軌道を変化させる航法技術である。


スイングバイの詳細

スイングバイとは、宇宙探査機が惑星や衛星などの天体に接近した際、その天体の重力場を利用して探査機の軌道や速度を変化させる航行技術のことを指します。
この手法は「重力アシスト」とも呼ばれ、宇宙探査において非常に重要な役割を果たしています。

宇宙空間では、探査機が自力で軌道を変更したり加速したりするには大量の燃料が必要になります。
しかし、スイングバイを活用すれば、天体の重力をうまく利用して燃料をほとんど使わずに探査機の速度や進行方向を大きく変えることができます。
これにより、より遠くの天体へ到達することができるようになる他、複数の天体を巡る長期ミッションが実現されるようになります。

スイングバイの代表的な例としては、NASAの深宇宙探査機「ボイジャー」が挙げられます。
ボイジャー1号と2号は、木星や土星などの巨大惑星の重力を利用して加速し、次々と外惑星を観測しながら太陽系の外縁部へと向かいました。
このスイングバイの成功により、限られた推進力で広大な宇宙を旅することが可能になったのです。

また、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」も、地球スイングバイを活用して小惑星リュウグウへと向かいました。
地球の重力を利用することで、燃料を節約しながら軌道を調整し、目的地への到達を実現しました。
このように、スイングバイは宇宙探査ミッションにおいて広く用いられています。

ただし、スイングバイを成功させるには高度な技術と精密な計算が必要です。
探査機が天体に接近する角度やタイミングがわずかでもずれると、軌道が大きく外れてしまい目的地に到達できなくなるリスクがあります。
そのため、事前の軌道設計やシミュレーションが極めて重要です。
その制度はミッション全体の成否を左右する大きな要素となります。

それでも、スイングバイはミッションの効率を飛躍的に高める手段として、特に長距離の深宇宙探査においては欠かせない技術です。
スイングバイは今後も、より遠くの天体を目指す探査計画において重要な役割を果たし続けることでしょう。


以下のページでも「スイングバイ」が紹介されています

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